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· シロカニペ祭

「シロカニペ祭」今年もよい時でした

幸恵さんが小学生であった金田一春彦さんと一緒に行こうと約束したけれど果たせなかった根津神社のお祭り。

今年は、9月18日が神輿の宮入であったそうです。

94年前に幸恵さんが神さまのもとに召されたこの日、召された地の隣にある本郷ルーテル教会の礼拝堂において、第7回となる知里幸恵召天記念「シロカニペ祭」が行われました。

『アイヌ神謡集』の序文の朗読に続き、シロカニペ祭の呼びかけ人代表をしてくださっていて、今年2月に亡くなられた作家の津島祐子さんが書き残された幸恵さんへの思いが読み上げられました。

共同代表であり、今回は出席がかなわなかった小野有五さんからも、幸恵さんそして津島さんへの思いが寄せられました。

舞香さんによる『アイヌ神謡集』からの一人芝居は、アイヌ神謡集の最後に収められている「沼貝が自ら歌った謡『トヌペカランラン』Pipa yaieyukar, "Tonupeka ranran”」。助けられた沼貝が畑の穀物を豊かに実らせるお話しは、実際にヒエの収穫に使われる貝殻からふくらんだ物語です。

幸恵さんの多くの部分を占めるキリスト教信仰について、またそこに至る背景について、立教学院の西原廉太先生が丁寧にお話くださいました。立教学院は、幸恵さんが所属した聖公会の学校であり、西原先生は聖公会の司祭でもあります。『アイヌ神謡集』の冒頭に「シマフクロウ神が自らをうたった謡『銀の滴降る降るまはりに』Kamuichikap Kamui yaieyukar, "Shirokanipe ranran pishkan”」を収めた幸恵さんの思いにも共に心をはせ、例年に増して、幸恵さんの信仰について味わう時となりました。

また、幸恵さんの日記に引用された聖書の言葉から、今年はローマの信徒への手紙5:3-5の言葉が紹介され、集まった皆さんによる祈りとお花が献げられました。

幸恵さんの生涯を題材とした子ども向けの伝記まんがの制作が進められることが発表され、そしてこの時にも幸恵さんによって与えられた出会いと時を感謝して、今年のシロカニペ祭が結ばれました。

おいでくださった方々、また思いを寄せてくださった方々に感謝します。