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· ルター,宗教改革500年,聖書

マルティン・ルターのことば(12/24)

12月24日  彼女は初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。(ルカによる福音書2:7)

 私はしばしば語ってきたことだが、またさらにこれを言おう。

 神を知り、誤ることなく神について思索しようとする者は、飼い葉桶をのぞき込みなさい。下から始めて、まず、ベツレヘムに生まれ、母の膝の上で乳を飲んでいる処女マリアの息子を知ることを学びなさい。それから、神はどのような方かを知ろうとするがよい。こうすれば、それは恐怖を与えるようなことではなく、最も慕わしい慰めに満ちたものとなる。みことばがすばらしく素朴に記しているように、この導き手、すなわち、人となられた主キリストなしに、天へよじ登ろうとするような、うわついた舞い上がるような思いにとらわれないように用心しなさい。彼にとどまり、あなたの知恵があなたを横道にそらせないように。そうすれば、あなたは神を正しく把握する。

 私たちの愛する主は、寒さも飢えも、苦悩をも耐えられたが、語られているように、とりわけ、彼が地上に生まれて来られたのは、みずぼらしく貧しいところであった。部屋も食器も、寝床も布団もむつきもなかった。彼は雌牛や雄牛のそばで、飼い葉桶に横たわっておられた・・・私の従兄弟、いやわたしの兄弟、天と地とその中にあるすべての被造物の王がそれほどにみすぼらしくそこにおられる。いや、何ということだ。この私はなぜこんなにうぬぼれているのだろう。どうして私はこうも立派になろうとして、何も耐えようとしないのか。栄光の王が私のためにそうして苦しんでおられるのに、私は誰だというのであろう。私はみじめな罪人で、取るに足らない者であるから、麻すき用の固い道具の上に横たわるべきなのに、柔らかいベッドの上におり、私の主がまぐさの桶の中で固い藁の上に寝ておられるのは道理にあわないことである。(『慰めと励ましの言葉ーマルティン・ルターによる一日一章』)